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安宗 貴志; 高崎 浩司; 中村 圭佑; 大野 雅史*; 入松川 知也*; 高橋 浩之*
no journal, ,
環境監視線量計測課ではゲルマニウム半導体検出器を超える優れたエネルギー分解能を有する超伝導転移端センサ(TES)を用いた、Puを含む超ウラン元素から放出されるX線および線の精密分光分析に関する研究を行なっている。重金属で作製した吸収体をTESに取り付けることで、数十keV以上のエネルギーを持つ硬X線や線の検出が可能となる。一方で、高エネルギー分解能であること、また検出器サイズも小さいことから、硬X線・線検出用TESで得られるエネルギースペクトルは非常に複雑化してしまい、試料中の核種や組成比などを解析することが困難である。そこで、モンテカルロシミュレーション等を用いて、TESで得られる複雑なエネルギースペクトルを解析するための手法を検討した。
塚田 千恵; 吉田 光; 岡田 美智雄*; 吉越 章隆; 矢板 毅
no journal, ,
SiやAlの酸化物で構成される粘土鉱物から放射性Csをハロゲン化物として脱離する方法を検討しているが、その脱離反応のメカニズムは不明である。我々は粘土鉱物とハロゲン系ガスの反応モデルとしてSi基板とCHClを選び、並進運動エネルギーを変化させたCHCl分子線照射によるCs/Si基板での反応解明を目的としている。本研究では第一段階として、CH3ClのSi(100)21に対する反応を放射光XPSで調べたが、CHやClでSiダイマー原子に吸着したと考えられる。
魚住 雄輝; 山崎 竜也*; 朝岡 秀人
no journal, ,
表面ストレス測定装置と反射高速電子線回折(RHEED)を用いてSi(111)基板上へのGe成長過程における400Cでの薄膜表面のストレスを計測した。その結果、Ge薄膜の成長初期に表面ストレスが蓄積した後、ナノドットの発生と同時に蓄積された表面ストレスが緩和する様子を捉えることに成功した。また、200C500Cの成長過程におけるストレス計測結果とRHEED結果を比較することにより、Wettingレイヤー・Geナノドットなどの場所に依存するストレス緩和を識別できることを明らかにした。
酒井 卓郎; 飯倉 寛; 松林 政仁; 栗田 圭輔*; 河地 有木*
no journal, ,
オートラジオグラフィ法は、RI等のトレーサーが生体内でどのように分布しているかを可視化する手法として広く利用されている。また、福島第一原子力発電所事故以降、放射性セシウムが広く環境中に拡散し、その移行・集積の過程を観察する手法としても注目されているが、オートラジオグラフィ法は、RIから放出される電離放射線の強度分布をイメージングプレート等で観察するバッジ法であり、経時的な変化を観察することは困難であった。今回、蛍光板と冷却CCDカメラを利用した新たな撮影方法を開発した。放射性セシウム(Cs)からの線の最大エネルギーは、512keV(94.4%), 1176keV(4.6%)であるため、薄い金属箔であれば十分透過することが見込まれる。そのため、蛍光板はアルミ箔の上に蛍光体粉末(ZnS:Ag)を塗布することで製作した。被写体はCsを吸収したダイズの葉であり、線による発光を冷却型CCDカメラにより撮影した。その結果、葉脈に集積したCsをはっきりと画像化できた。本手法は、植物が生息できる環境下での経時的な連続撮影も可能であるため、トレーサーの移行過程を観察することも容易である。
杉山 一生*; 齊藤 正裕*; 宮田 登*; 花島 隆泰*; 阿久津 和宏*; 青木 靖仁*; 大塚 祐二*; 武田 全康; 清水 亮太*; 一杉 太郎*
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固体電解質/電極界面近傍に生じる空間電荷層は、系全体の物性に大きな影響を及ぼすことから、空間電荷層内部における各元素の濃度分布を明らかにすることは極めて重要である。しかしながら、空間電荷層におけるLi濃度分布を直接的かつ定量的に測定した報告はなかった。そこで本研究では、固体電解質に電圧印加(5V)しつつ、ラザフォード後方散乱(RBS), 核反応分析法(NRA)、そして、中性子反射率測定を行い、nmから数十mまでの広いレンジで固体電解質/電極界面近傍のLi濃度分布を明らかにすることに成功した。
津田 泰孝*; 牧野 隆正*; 塚田 千恵; 吉越 章隆; 福山 哲也*; 岡田 美智雄*
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酸化は腐食過程の中でも最も主要なものの一つである。CuPd合金は触媒作用を持つことで知られ、その表面酸化過程が注目される。本発表では、CuPd(111)表面について、分子ビームを使った初期酸化過程を詳細に調査した。その場光電子分光測定はSPring-8 BL23SUの表面化学装置にて行った。Arスパッターとアニール後の単結晶CuPdを使った。酸素雰囲気への曝露酸化に比べて、分子ビームによる酸化は反応性が高くなることが分かった。また、基板温度の上昇に伴い表面原子拡散が起きることが示唆された。
山田 高寛*; 渡邉 健太*; 野崎 幹人*; 吉越 章隆; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
no journal, ,
GaNは次世代パワーデバイス材料として期待されている。本研究では極薄GaOx界面層の新たな形成方法として、プラズマCVDによりGaN基板上に成膜したSiOキャップ層越しのGaN表面の熱酸化について検討し、作製したSiO/GaOx/GaN MOSキャパシタの界面特性について評価した。放射光光電子分光測定から、800度で熱酸化したSiO/GaN試料のGa2pスペクトルは、Ga-N結合成分に相当するHCl洗浄後のGaN試料に比べて、高結合エネルギー(BE)側の強度が増加していることがわかった。これはGa-N結合成分から約0.4eVほど高BE側に表れるGa-O結合成分が増加した結果であり、SiO/GaN界面に薄いGaOx層が存在することを示している。800度で熱酸化したSiO/GaOx/GaN構造にゲート電極を形成してMOSキャパシタを作製し、容量-電圧(C-V)特性を測定したところ、1MHzから1kHzまでの周波数範囲に渡ってC-Vカーブの周波数分散はほとんど見られず、またヒステリシスも50mV以下と小さいことがわかった。さらに、理想C-Vカーブともほぼ一致していたことから、SiO/GaN構造への後酸化処理で非常に優れた界面特性が実現されたことがわかった。
塚田 千恵; 吉田 光; 岡田 美智雄*; 吉越 章隆; 矢板 毅
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CHClを用いた粘土鉱物中のCs除去反応を期待して、主要構成元素の一つであるSi表面におけるCHCl分子吸着反応と吸着状態を放射光光電子分光によって調べた。Si(100)表面においてCClが、CHとClに解離吸着することを高分解能光電子スペクトルで明らかにしたので報告する。
小川 新*; 大野 真也*; 吉越 章隆
no journal, ,
グラフェンは、次世代の電子デバイス材料として有望である。放射光光電子分光を用いたその場観察によって、Si基板上のグラフェンの熱的安定性に関する評価をしたので報告する。酸化シリコン基板上にCVD成長したグラフェンのC1s, O1s, Si2p光電子分光実験をSPring-8 BL23SUの表面化学実験装置を使って行った。グラフェン構造の温度依存性を観察し、室温ではシリコン酸化膜に張り付いた構造になっているが、温度上昇とともに表面法線方向に動いて浮き上がった状態を取ることが示唆された。